どんど焼きに見る『焚く』動機
札幌市のアロマ空間デザイナー 志摩柚生子です。
お正月に飾っていたしめ縄を納めに、近所の神社までどんど焼きに行ってきました。
神社には徒歩で向かいました。
近づくにつれ、辺りに漂う煙のにおい。
道路を数本挟んだ住宅街に、風で舞って飛んできたススがあちこちに。
神社の空気って、ここまで届くのかと思いました。
受付でしめ縄を渡して、その足でお詣りを。
そのあとしばらく、どんど焼きの炎をぼんやり眺めました。
こうして大きな炎を見る機会なんて、滅多にないですね。
修学旅行のキャンプファイヤーか、どんど焼きくらいです。
古代から『焚く』ことで人間は自分の気持ちを落ち着けてきたのでしょうか。
神聖なものを燃やすことで得る満足感?充足感?
気持ちの切り替え?
燃やすことで、災いが払われたと感じたり、無病息災を願ったり。
精油(=エッセンシャルオイル)でも『焚く儀式』のエピソードがたくさん出てきます。
植物を焚いて芳香させることが目的です。
『フランキンセンス』精油もその一つで、樹木から染み出た樹液が固まったものを焚いて、身を清めるときなどに芳香していたそうです。
オリバナムと呼ばれる乳香樹(ニュウコウジュ)の幹に傷をつけると、乳白色の樹液がにじみ出ます。
オレンジがかった茶色のガムに変色して固まり、これを水蒸気蒸留すると精油(=エッセンシャルオイル)になります。
きっと、その香りを当時嗅いだことがあるというのは、国王や女王といった偉い人だけだったのでしょう。
う~ん、めちゃくちゃ貴重です。
なんだか贅沢。
その贅沢感、現代では、小瓶に詰められた精油というかたちで、私たちは手にして、如何様にも活用することができます。(物流とインターネットの進化に感謝…!)
私が使っているのは、フロリハナ社の精油です。
おしゃれなスチール製の缶に入っている理由は、遮光のためです。少しでも光の透過を抑えるために、こんな素敵なパッケージを作り込んでいるところに惚れました♡
海外の話になりますが、エジプトでは今も毎朝、神への祈りと幸運を祈願して香りを焚きしめるそうです。
「焚きしめる」というのがいいですね。
空間が良い香りと幸せな気持ちで満たされている状態なのだろうなと感じます。
香りの選び方・香らせ方は、家庭によって様々で、それぞれ伝統があるとのことです。
自分の好きな香りと、それを焚く方法が子孫にも伝えられていくって、素敵ですね!