念願のFUEGUIA1833購入記
札幌市のアロマ空間デザイナー 志摩柚生子です。
11月中旬の香り出張では『FUEGUIA1833』へ行ってきました。
FUEGUIA1833はフレグランスブランドの一つです。
なぜこのような、ニッチもニッチなブランドを知ったのかと言いますと、昨年の香り出張に遡ります。
出張最終日、空港へ向かう前に六本木でランチをし、リムジンバスがたまたま近隣のグランドハイアット東京から出ていたので、足を運んだことがきっかけでした。
エントランスに一歩足を踏み入れた瞬間から、すぐに感じる華やかな香り。
ここでもアロマ空間演出がされているのかと思ったら、香りの正体は、日本で唯一のFUEGUIA1833のブティックが入っていたからでした。
あまりにもショッキングな陳列と、フレッシュというべきかエキゾチックというべきか、優雅、高級、自然、植物といったキーワードが一瞬で脳内にブワッと広がるその香りに、度肝を抜かれました。
このとき…バスまでの時間が…
あと5分しかなかったのです!!
ゆっくり見ることができずに空港に向かってしまったので、ものすごく心残りで。
いつか必ずこの香りを手に入れようと決めたので、今回実行に移した次第です。
今回訪れたのは、伊勢丹新宿のフレグランスコーナーです。
(※この記事を書いている最中に、FUEGUIAが伊勢丹新宿店から撤退するとSNSでお知らせがありました😨)
これがまた、香りを一つ一つ芸術的に説明してくれるスタッフのお兄さんに終始ヤラれました。
こちらの何ともつたないイメージと言葉だけで、私の心をグッと掴む香りを存分に試させてもらいました。
今回試香したのがこちらの6種類です。
- Equation
- Chamber
- Valle de la Luna
- Thays
- Komorebi
- Agua Magnolia
Equation
今回ダントツに心に残ったエピソードを持つこちら、なんと、宇宙の香りなのです。
最近、妙に『宇宙の香り』について人と話すことがあり、調香のご依頼でも宇宙をテーマに、といったことが重なっていました。
「お兄さん(スタッフ)が今現在、これが一番FUEGUIAで面白いと思う香りを教えてください。」と伝えて出てきたものがこちらです。
嗅いだ瞬間、「宇宙だ!」と声が出るほど。
焦げたような、尖りのある乾いた香り。ゴツゴツとした岩をも感じます。
吹きかけてから何十時間も経過しているムエットを今嗅いでみても、はっきりと『宇宙』の残像が浮かび上がります。
宇宙の香りについての「ツィオルコフスキーの公式」と最新の研究にインスパイアーされて。ジュリアンは、研究を重ねていくうちに、望遠鏡により新たな発見があったことを知った。それは、天の川の中心部、特にサジタリウスB2分子雲にはラムの香りとラズベリーの風味を与えるギ酸エチルの分子があり、これと同様の香りよい炭素が多数観測されたということだ。実際、宇宙飛行士は、宇宙遊泳から帰還したとき、宇宙服はホットメタルやバーベキュー(アルゼンチン・アサー ド)、溶接ヒュームのような香りがすると語る。それに加えて、ジュリアン自身は、ウッディーな香りを合わせたいと考えた。それはまるで、ツィオルコフスキーが方程式を設計していたカルーガの部屋の香りをこの和音に込めるように。
Chamber
こちらもユニーク繋がりで試香しました。『湖の底の香り』。
これがまた、なんとも言えない…確かに水辺だ!
底の藻にすぐ手が届きそうな、でも届かないような。時間が止まったような、暗い湖が浮かびました。
いわゆるマリンノートやアクアノートとは違った雰囲気を感じるのは、水と植物を掛け合わせたからでしょうか。
チャンバーは、もっとも原始的な香り−ミステリアスな自然のオーラから創り出された多くの側面を持つエッセンス−を探求し、捕らえたいというジュリアン・ベデルの好奇心と欲望から生まれた。嗅覚器官は明らかにとても特別である:大理石、パウダー、バルバ・デ・ビエホ−パタゴニアの地衣類、大気の純度のレベルを示すことのできる植物、そして最後に、湖底の香り。ここでは、大理石の強固さが地球の熱に加わり、苔の生えた湖の背景を呼び覚ます。チャンバーはコンクリート、大理石、ルイス・カーンの建築物、正確にはキンベル・コレクションの建築からインスパイアーを受けた。
Valle de la Luna
今回の香り出張では、少し甘みのあるフローラル系のフレグランスを欲していました。
「甘みのある」香りを希望した自分の今の心理状態はどんなものなのか。
甘えたい?甘やかされたい?甘やかしたい?
優しくしたい?優しくされたい?
そこで出してもらったのがこの香り。トップノートが抜けたあと、ミドルに残る『妖しさ』が好みのものではありませんでした。その要因となった成分は、恐らくアイリス。
今の私は、生理的にアイリスを受け付けない状況であることが分かりました。
引用にもあるように、イメージを砂漠としたならば、アイリスを乾かす方向へデザインしたのかなと思われます。アイリスの残香を乾かすのが好きではないのかも。
不毛な大地は最も起こらなそうな種のために肥沃にさせられる。月面に沿って成長するアイリス、異世界に属する砂漠。
Thays
フローラル系で人気の香りだそうです。香りもネーミングも好き!タイース。
私の好きな映画に出ていた俳優と似た名前だからです(笑)
爽やかなフローラルの正体はキンモクセイでした。
リアルなキンモクセイの香りは単体でもとても好きですが、さらにフルーティさが加わると、分子の一つ一つが軽やかに変化しているようで、さらに好きになりました。
こちらを購入したかったけど、在庫が大きなサイズしかなく諦めました(泣)
土着の植物に夢中になり、タイースはユニークな公園を作った。私たちは彼のうっとりするような庭の中で様々な香りとの予想だにしない出会いをイメージした。
Komorebi
これまたユニークな設定のフローラルを出してくれました。
名前の通り、木漏れ日の香りです。ゆっくりと試香すると、青々と茂り始めた草花を太陽の光が照らしている雰囲気を感じました。
光の色は黄色、と思ったのですが、公式の説明文では琥珀色と表現していますね。
嗅いだ瞬間に、なぜか思い浮かんだのは北海道神宮での情景。
境内で真っ直ぐと伸びる木々の隙間から注ぐ太陽の光を思い出したのですが、なぜフローラルなのかと。境内には芳香するほどの花は植えられていないはず…と思ったら。
正体は桜でした。
この香りの構成のサブ要素に『Cherry Blossom』と書いてあることで納得しました。
北海道神宮は桜の名所でしたね。香りのおかげで思い出しました。
日本の光の概念。木の葉を透過した太陽の光の透明な交わりは、湿潤な空気の中で桜の音色を広げ琥珀色の風に突然遮られた。
Agua Magnolia
悩みに悩んだ結果、初めてのFUEGUIAフレグランスはこちらの香りを購入しました。
惹かれた理由は、マグノリアです。
恐らく春~初夏だったと思うのですが、札幌の百合が原公園ではマグノリアが咲き誇る時期があります。毎年その時期にはよく散歩に行き、マグノリアの木の周辺の芳香を楽しんでいました。フレグランスになるとどんな香りになるのか、とずっと気になっていた素材でした。
マグノリアの第一印象が強く感じるものの、すぐそばにシトラスの爽やかさがあります。それでいて、息が抜けるような落ち着きを感じるのはサンダルウッドのおかげだったようです。
私にとってこの香りは、贅沢に眠りたいときに枕に吹きかけるイメージです。金曜の夜に使いたいような(笑)
マグノリア・フラグランティシィマとアマゾニア・マグノリアのエキゾチックな花々からインスピレーションを受けたこのアグア・マグノリアーナは熱帯雨林の守護者であるアマゾンの巨大な木の繊細でフローラルなフレグランスを表現している。
次回の香り出張でも行けたら良いなぁ。
次は、どんな香りに興味が注がれるのか。どんな香りを欲しようとするのか。そのときの自分の心理状態はいかなるものなのか。
ご紹介した香りが気になる方は、お打合せやアロマレッスンなどでお持ちいたしますのでぜひご一報ください^^
※打合せご希望のお客様へ
『香り出張』は2020年11月中旬に行ってきました。2週間を過ぎましたが体調に変化なく健康に過ごしております。ご要望があれば行動履歴を開示いたしますのでご一報くださいませ。